講評　　熊切　圭介（写真家）

記念賞　｢夕照｣　三浦　喜代子

　見方によっては、SF映画の一場面のように見える。農作物を保護するビニールの被いの形が、近未来の工場か何かのようにみえる、また夕照の赤い色が、炎上する都市の遠景のようで想像力を刺激する光景だ。

記念賞　｢竜巻の爪あと｣　土屋　弘美

　今年は何故か竜巻が多いようだ。竜巻に襲われた後の街の様子が、伝わってくる。雑然とした家の姿や、家の前で近所の人と話している人、壊れた物を直している男性など、災害の後の光景が、日常性を感じる視点で描かれている。

記念賞　「瀑布賛歌」　萩原　幸作

　被写体になっているのは、かなり大きな滝のようだ。轟音を響かせながら流れ落ちる滝の間を、巧みに飛び交う岩ツバメの姿が、とても印象的だ。色調などもあって、全体に日本画を見るようなイメージがあり、ある種の『美』を感じる。

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