第39回埼玉県写真サロン入賞作品
応募者数 343名
応募点数 単写真 690点 組写真 67点 合計 757点
審査員 榎並悦子(写真家・関東本部委員)、山口百希(関東本部委員)
■講評
榎並悦子
長引くコロナ禍の影響でしょう、昨年よりも応募総数はやや減少しましたが、内容的にはみなさんの写真熱が感じられる力作揃いでした。マスク生活で人とのコミュニケーションが取りづらい昨今ですが、その分、自然に目を向けた作品がかなり充実していたと思います。
上位作品は見る側を引き込む力があり、作者のいわんとすることがよく感じられた点も素晴らしかったと思います。自然の営みの中に作者が見いだした発見や驚きが、的確にとらえられていました。また、人物スナップでは周囲のロケーションを生かした作画のひらめきに目を見張るものがあり感心しました。
審査をしていて少し残念に思ったことは、プリントの仕上げがよくない作品もあったことです。作品の出来映えを左右する仕上げにも注意されるといいですね。組写真は枚数、サイズを吟味して欲しいと思いました。合成等の加工もOKですので、今後はアート系の作品にも期待を寄せたいと思います。
同じ被写体でも、その日の天候や時間帯によって見え方、感じ方が大きく変わります。何度通っても同じ光景はありません。すべてのものに出会いの一瞬があるからこそ、写真の楽しさも尽きないのだと思います。撮ることもそうですが、見る楽しさも写真の魅力です。選ばれた傑作の数々を、写真展会場でじっくりと味わっていただけたら幸いです。