講評　　齋藤　康一（写真家）

埼玉県知事賞　「悠久の輝き」　若井　良広

　北極星を中心に美しい曲線となった星の流れを長時間露光し、画面下の茜色の街の明かりや木々を美しく配置した荘厳さを見事に描き出しています。感心致しました。

全日写連関東本部長賞　「茜雲に走る」　森口　菊枝

　どんな位置からの撮影なのか解りませんが黒くなった地面に対してのバイクに乗った人々の姿が俯瞰に依り実に不思議な空間の中に生かされていると思いました。

朝日新聞さいたま総局長賞　「雨あがり」　小澤　久美子

　アジサイの群をバックに走ってくる子供達の姿が実に良い。持っている傘が画面を生かす上で見事なアクセントになっていると思いました。雨あがりの晴れ間、いいですね。

全日写連埼玉県本部長賞　「貌」　小田　浩靖

　６点の魚の組合せ、それぞれの適格な撮影ぶりに感心、見れば見る程に楽しい気分にさせてくれると思いました。一枚一枚の画面の中の魚の大きさと、空間の残し方も良いですね。

全日写連埼玉県本部委員長賞　「見つめる」　百村　秀男

　子猿は親猿に抱かれ一体何を考えているのでしょうか、と思いたくなる感じ、実に愛らしい姿、その表情とフレーミングの素晴しさに感心致しました。

さいたま市長賞　「混沌」　杉本　純子

　正直なところ意図が何となく意味ありげですし、画面のトーンの面白さに捕われてしまいました。何故か引かれる作品です。

埼玉県議会議長賞　「町の長老」　黒澤　みとし

　どの様な状況で撮られたのかは解りませんが、まるでスタジオでライテイングした様な光、いずれにしてもフレーミングも良いし老人の表情や様子が実に見事に描き出されています。

埼玉県教育長賞　「月下の遺構」　矢部　豊

　山や橋の画面への入れ方と、星空の美しさを憎らしいくらいに上手い見せ方、実に見事なフレーミング、それぞれのバランスも最高ですし、何しろ美しいです。

さいたま市議会議長賞　「雅やか」　内山　妙子

　画面への幹の入れ方の角度に対しての紅葉部分のトーンの出し方、下辺の白樺林に対して丁度よい色調にしたものと感心致しました.　雅な味わいは作者の持つ味わいなのでしょうか。

さいたま市教育長賞　「夢のプリズム」　越阪部　寿子

　イルカたちの動きのリズムも良いし拡がりある画面づくりもピタリ、下辺の僅かに残した水の黒い部分が画面を引き締めていますし、夢のプリズムとは上手いタイトルを付けたものです。

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