「私がみつけた埼玉の自然」フォトコンテスト

2015年

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第30回「私がみつけた埼玉の自然」フォトコンテスト

                審査員 芳賀 健二、勝又 ひろし、松岡 達也 (敬称略)


応募者数: 460 名、作品数: 1,001点でした。

総評

芳賀 健二

今回は昨年に比較して応募点数で100点多く、応募者も38名増えて、この「埼玉の自然」フォトコンテストに、関心と興味を持つ方が増えたのは、とても嬉しいことです。1枚でもいい写真を残そうとする皆様の熱気が伝わってきました。応募作品を作るためには、自然をじっくり見つめ、美しさや素晴らしさ、面白さや不思議さを見極める目がないとなかなか出来ません。それらの目を持つ方が、今後もますます増えることを願っています。

全体的にはスケール感のある大きな自然風景が少なく、動物や鳥、昆虫などの写真がやや多くなった感じで、やや小さくまとまり過ぎたかなという印象です。最終的に残ったの方々の作品は、大きな優劣がつきにくい位、審査も苦労しましたが、やはり上位に入った方々の作品は、力のある作品が多かったと思います。

ただ今回も写真の基本であるピントが甘かったり、露出が悪かったり、プリントの具合がいまいちだったり、応募規定に外れていると思われる、惜しい作品も見受けられました。次回はこれらの点にも留意しつつ、あまり今回の入賞作品や、過去の作品に囚われることなく、新しい視点での応募を期待しております。


作品の講評: 芳賀 健二


第30回記念賞

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kinen.jpg「落日に煙る」 堀之内 稔

何かミレーの絵を彷彿とさせるような、自然と働く人物との組み合わせが印象的です。朝方か夕方か分かりませんが、斜光線の中の色付いた柔らかな色調が、穏やかで静かな時間を感じさせてくれます。やや低めのカメラの高さと位置から、背景の空を広くされた切り取りかた、人物と煙のバランスなど申し分ない構図とタイミングです。残したい日本の光景です。


優秀賞

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y1.jpg「五つ子」 後藤 やす子

何とユーモラスな、見る人が皆さん微笑んでしまうような作品です。このような場面に出会うのは、とても難しいのではないでしょうか。よく出会えたな、よく見つけたなと感心します。そして五匹の位置、中央の一匹だけが口を開け、右端が動き出そうとする、まさに最高の一瞬を捉えた秀作だと思います。やや明るめの露出も楽しさを倍加させてくれました。女性らしい「優しい視線」も感じます。


y2.jpg「烈風」 八島 尚樹

見た感じからは、タイトルの激しい風はあまり感じられず、むしろ斜光線の中に輝く、ススキの穂の美しさが伝わります。線路脇の何気ない場所なのですが、光や切り取り方を含めた条件を工夫すると、遠くまでいかなくても、有名な場所に出かけなくとも、充分作品は作れるという、とてもいい例だと思います。電線や線路という人工物と、自然のコラボレーションが見事です。


y3.jpg「霧木立」 久保 佳久

幽玄で湿り気のある、このような光景は、やはり日本の四季の中でないと、出会えない光景でないかと思います。まさに自然の美しさ、懐の深さのようなものを素直な視点で切り取られています。ここで霧がなければ普通の場面でしたが、天候の変わり目である、気象条件を考えながら見つけられた場面を、スケール感のある自然風景にまとめられています。


特選

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t1.jpg「雨の日」 斉藤 憲子

雨の日はなかなか撮影に出かけにくいものですが、逆に雨の日でないと撮れない被写体があります。今回の作品は、雨粒の載ったスイレンの葉も美しく、加えて二匹のトンボとの組み合わせが、とてもいい雰囲気を醸し出してくれています。さあ雨が降ったら撮影チャンスです、どんどん撮影に出掛けましょう。


t2.jpg「大きな影」 田口 正平

大きく、やや不気味な感じがする、いい木の影を選ばれました。縦位置の構図で高さ、奥行き感が表現されていますし、上部に小さく何人かの人物を入れたことで、木や陰の大きさが想像され、的確な組み合わせになったと思います。また広角レンズの特長である、遠近感の誇張を上手に使われており迫力があります。


t3.jpg「祈り」 又賀 義信

風景写真は、朝夕がゴールデンタイムとも言われています。色付きがあるのと斜光線での陰影の面白さなどが表現出来るからだと思います。不思議で、やや不気味な雲の隙間から射し込む光が、荘厳なメロデーを感じさせてくれるようです。またシルエットに入れた、枝を落とした幹を入れたことで、画面に奥行き感も表現出来ています。


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