第29回「私がみつけた埼玉の自然」フォトコンテスト
審査員 芳賀 健二、山口 百希、矢野 靖博 (敬称略)
応募者数:422名、作品数:901点でした。
作品の講評: 山口百希
優秀賞
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「雷光」 岡地英男「雷光」 岡地英男
送電線鉄塔に走る稲妻。圧倒的な自然の力強さが遺憾なくなく伝わってきます。巨大な鉄塔も、放射状に爆発してるような稲光の前ではすくみあがっているように見えます。撮影地の桶川では、かつて落雷の被害がありました。撮影には十分に注意して欲しいものです。
「寄り添って」 箕田 勇「寄り添って」 箕田 勇
カルガモの夫婦でしょうか、降りしきる雪の中を、寄り添うように水面を進んでいます。画面いっぱいの雪のつぶが降りの激しさを物語っています。モノトーンな表現が、水墨画を見るような味わいをかもし出し、ピーンと張り詰めた空気感が伝わってきます。
特選
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「春霞」 岡部蝶子「春霞」 岡部蝶子
伸びた枝の先に、今を盛りとサクラが咲き誇っています。芳醇な表現になりそうなテーマですが、全体を淡い色調でまとめ、プリントも和紙を使い品のよい作品に仕上げました。構図も空間をうまく取り入れ、余韻を感じさせる写真になっています。
「山里の夜明け」 長島敬二「山里の夜明け」 長島敬二
山里の谷あいに朝もやがたなびき、地平線が朝焼けに染まり、幻想的な風景を作り出してします。静謐(せいひつ)な大自然を写していながら、朝もやの下には明かりが点り、遠くの工場からは煙が立ち昇って、人間の息吹も感じられる作品になっています。
「10月に咲いた桜」 斉藤憲子「10月に咲いた桜」 斉藤憲子
「十月桜」でしょうか、満開のサクラが暗い背景のなかに浮かび上がっています。後方の黄色のセイタカアワダチソウらしき草花や緑色のサトイモのような葉が彩りを添え、舞台の上でスポットライトを浴びているような効果を上げています。